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高本ファーム 高本茜
熊本県 合志市 子牛:10頭、育成牛:6頭、母牛:16頭 取材日:2026年7月1日
受け継ぐ牧場、繋ぐ未来
記者「高本さんが牧場を継ごうと決めたきっかけや、牧場運営を始めることになったエピソードを教えてください。」
高本さん「実は高校を卒業する前から、いつかは家の牧場を継ごうという気持ちは持っていました。当時は外で仕事をしながら家業を手伝う形も考えていたんですが、父が体調を崩し始めたことが大きな転機になりました。父は大腿骨を骨折するなど、少しずつ体に不調が出ていて、『このままでは自分が継がなければ牧場を守れない』という思いが強くなったんです。そこで覚悟を決めて、牧場一本でやっていこうと決意しました。祖父の代から続く牧場なので、その歴史を絶やしたくないという気持ちもありましたし、小さい頃から当たり前のように牛と一緒に育ってきたので、自分にとっては自然な選択でもありました。」 記者「牧場を運営する中で、特に苦労したことや印象に残っている出来事はありますか。」 高本さん「意外に思われるかもしれませんが、一番大変だったのは車の免許を取ることでした。自動車学校までは順調だったんですが、本免許を取得するために免許センターへ行って試験を受けるのが本当に苦労しました。それ以外にも、牛を扱う仕事ではケガをすることもありますし、毎日が勉強ですね。また、令和5年度には品評会へ牛を2頭出品し、そのうち1頭が2席という結果をいただきました。ただ、品評会では牛をきちんと立たせたり落ち着かせたりする技術も必要で、その準備や練習はとても大変でした。良い結果はうれしかったですが、その裏にはたくさんの苦労がありました。」 記者「高本さんにとって、牛を育てる仕事の魅力や楽しさはどんなところにありますか。」 高本さん「私は物心ついた頃から牛がいる環境で育ちました。記憶にあるのは3歳くらいからですが、それ以前から牧場には牛がいて、牛と一緒に成長してきたような感覚があります。祖父の代から続く牧場なので、牛のいる生活は私にとって当たり前の日常でした。小学校の頃には『将来は牧場を継ぐ』と自然に思っていましたし、その気持ちは今でも変わっていません。牛を育てること自体が好きですし、一頭一頭の成長を近くで見守れることに大きなやりがいを感じています。毎日世話をするからこそ、牛が元気に育ってくれる姿を見る瞬間が何よりうれしいですね。」 記者「これからの高本牧場について、近い目標や将来の夢を教えてください。」 高本さん「まずは牛舎の環境をさらに良くしたいと考えています。以前は2つの牛舎があり、スペースが狭くて堆肥の管理もしづらい部分がありました。だからこそ、今後は飼育スペースをもっと使いやすい形に整備して、牛にとっても人にとっても管理しやすい牧場を目指したいですね。そして直近の目標は飼養頭数を30頭まで増やすことです。現在は子牛も合わせて19頭いるので、あと11頭増やせば目標に届きます。一気に100頭規模を目指すというより、自分たちらしく丁寧に牛を育てながら、少しずつ規模を広げていくことが今の目標です。」 牛との向き合い方が信頼を作る
記者「高本さんが牛を育てる上で、一番大切にしているこだわりを教えてください。」
高本さん「正直に言うと、最初は『これが自分のこだわりです』と意識したことはあまりなかったんですが、今一番大切にしているのは、人によく慣れた牛を育てることです。うちの牛は比較的フレンドリーな子が多く、誰でも触れられるくらい人懐っこい性格なんですが、もっと落ち着いて人と接する牛に育てたいと思っています。競り場では慣れていない牛ほど落ち着きを失ってしまうこともあるので、普段から人との信頼関係を築いておくことが、牛にとっても人にとっても大切だと考えています。」 記者「人に慣れた牛を育てるために、普段どのようなことを意識していますか。また、メリットや難しさも教えてください。」 高本さん「特別なことではありませんが、とにかく毎日牛と接することを心掛けています。近くで声を掛けたり、優しく触ってあげたりして、人を怖がらないように育てています。ただ、小さい頃に無理をさせると逆に人を怖がるようになることもあるので、その子の性格を見ながら距離感を大事にしています。人に慣れることで管理もしやすくなりますが、慣れすぎると牛との距離感が分からなくなり、人に乗ってきたりすることもあります。だからこそ、信頼関係を築きながらも適度な距離を保つことが大切だと感じています。」 記者「飼育方法や血統について、高本さんが特に意識していることはありますか。」 高本さん「最近は組合のトウモロコシを与えるようになり、以前よりも胴がしっかり伸びた体つきの良い牛が育つようになったと感じています。もちろん餌だけではなく、与え方や管理方法も影響すると思います。また、獣医さんや種付けでお世話になっている授精師さんからは、血統ごとの特徴を教えていただきながら勉強しています。例えば『諒太郎』という血統は風邪をひきやすい傾向があるため、体調の変化を特に注意して見ています。良い特徴だけを見るのではなく、それぞれの血統の弱い部分も理解しながら、一頭一頭に合った管理をすることを心掛けています。」 記者「牧場で長年愛用している、おすすめの道具やアイテムがあれば教えてください。」 高本さん「子牛は小さい頃に下痢をしやすいことがあるので、『ミヤリサン』は牧場に欠かせないアイテムです。少しお腹の調子が悪そうだと感じた時に餌へ混ぜて使っていて、本当に何度も助けられてきました。父の代から20年近く使い続けているくらい信頼している製品です。青とオレンジの2種類を常備していて、溶けやすさなどに違いはありますが、どちらも状況に応じて使い分けています。毎日の管理は小さな積み重ねですが、こうした道具に支えられながら牛の健康を守っています。」 未来へ残したい牛を育てる。
記者「アソードを導入したきっかけと、実際に感じた効果について教えてください。」
高本さん「導入する前は、思うように受胎しないことが多くて、『どうしたら受胎率を上げられるだろう』と悩んでいました。そんな時に吉岡さんからアソードを紹介していただいたのがきっかけです。使い始めてからは、それまで3頭中何頭つくかなという状態だったのが、3頭すべて受胎することも増え、繁殖成績が安定してきました。それだけでなく、生まれてくる子牛の毛並みや気質も以前より良くなったように感じています。以前は個体差が大きかったのですが、全体的に質が揃い、牛の状態が安定してきたことで『導入して良かった』と実感しています。家族も見た目の変化を感じるほどだったので、今では欠かせない存在になっています。」 記者「アソードを使う中で、新たな目標や理想の牛づくりは見えてきましたか。」 高本さん「受胎率や子牛の質が安定してきたことで、次はもっと体格の良い牛を育てたいという目標ができました。私が目標にしている先輩農家さんは、生まれた時から大きく立派な子牛を育てられていて、自分もそこに少しでも近づきたいと思っています。実際に今年3月に生まれた『諒太郎』の血統の子牛は、生まれた時から50キロ近くあり、4か月経った今でも同じ月齢の牛を追い越すほど大きく育っています。この牛は販売せず繁殖牛として残す予定です。自分の牧場で育てた優秀な牛を次の世代へつなぎ、少しずつ牧場全体のレベルを上げていきたいと考えています。」 記者「登録検査で高得点を獲得されたそうですが、その時のお話を聞かせてください。」 高本さん「繁殖牛として登録するための検査で、17か月齢という比較的若い時期に83.2点という評価をいただくことができました。うちの牧場ではこれまで80点台前半が最高だったので、自分たちにとっては本当にうれしい結果でした。この牛は、種付けでお世話になっている授精師さんから『この牛を残した方がいい』と勧めてもらって選んだ牛なんです。長年の経験を持つ先輩の目利きを信じた結果が、この点数につながったと思っています。私たちは良い牛を買い集めるより、自分たちで育てた牛で高い評価をいただける牧場を目指しているので、大きな自信になりました。」 記者「健康面では、アソードを使い始めてどのような変化がありましたか。」 高本さん「以前はガス溜まりになる牛が毎年何頭かいて、薬を飲ませても再発することがありました。しかし、アソードを使い始めてからは、その症状がほとんど見られなくなりました。牛自身が自然にガスを出せるようになり、薬に頼ることもほぼなくなっています。また、食いつきも非常に良くなり、中にはアソードを入れないと餌を食べないくらい気に入っている牛もいます。さらに栄養の吸収効率が上がったことで堆肥の量が少なくなったことや、牛の代謝が良くなり、赤牛では汗をかくほど活発になった様子も見られます。毎日牛を見ているからこそ分かる変化が積み重なり、その効果を実感しています。」 記者「アソードを使い続ける中で、牛だけではなく牧草や土づくりにも変化は感じていますか。」 高本さん「実際に堆肥を畑へ使うようになってから、土の状態が以前とは変わってきたと感じています。以前は土が固く、水分が多いとぬかるんで作業しにくいこともあったんですが、最近は土が柔らかくなり、耕した時の感触も良くなりました。植え付け作業もしやすくなり、土を触るだけでも『状態が良くなってきたな』と実感しています。牧草についても、葉がしっかりしてきた印象がありますし、これから収量がどれくらい変わってくるのか楽しみにしています。牛だけではなく、堆肥を通して土づくりにも良い影響が出ているのではないかと期待しています。」 記者「畑や家庭菜園でも変化はありましたか。」 高本さん「牧草だけでなく、自宅で育てている野菜でも変化を感じています。今年は男爵とつきあかりという2種類のジャガイモを植えたんですが、昨年より収穫量が増えました。もちろん種イモの量や管理方法など、いろいろな要因があると思いますが、堆肥の状態が良くなったことも影響しているのではないかと感じています。今後は牧草の収量や品質もしっかり見ながら、牛だけでなく畑全体にも良い循環をつくっていきたいですね。」 記者「最後に、高本さんの座右の銘を教えてください。」 高本さん「いくつか思い浮かびますが、一つ選ぶとしたら『牛に優しく』ですね。以前は人に慣れていない牛もいて、接し方が十分ではなかったと感じることもありました。だからこそ今は、一頭一頭に丁寧に向き合い、どの牛にも優しく接することを一番大切にしています。牛に優しく接すれば、人を信頼してくれる牛に育ちますし、毎日の管理もしやすくなります。牛にとっても、人にとっても安心できる環境をつくることが、自分の牧場づくりの基本だと思っています。」 ミヤリサン
「ミヤリサン」は、子牛のお腹の健康管理を支える牧場の定番アイテムです。お腹の調子が気になる際に餌へ混ぜて使用でき、日々の健康維持をサポートします。長年にわたり愛用されている実績があり、現場で培われた信頼のもと、毎日の飼養管理を支える心強い製品として親しまれています。
アソード
「アソード」は、繁殖成績の向上から牛の健康管理、さらには土づくりまで、牧場経営を幅広くサポートする添加剤として注目されています。受胎率の安定や子牛の質の向上、食いつきの改善など、日々の飼養管理における変化が期待されるほか、牛のコンディション維持にも役立つ製品として継続的に活用されています。また、堆肥の状態が良くなることで土壌環境の改善にもつながる可能性があり、牧草や家庭菜園などの作物づくりにも好影響が期待されています。牛の健康を支えるだけでなく、堆肥を通じて土づくりや作物栽培へと良い循環を生み出し、牧場全体の生産性向上を目指す取り組みを支える点も大きな特長です。毎日の飼養管理の積み重ねを支え、牛づくりと環境づくりの両面から牧場経営を後押しする添加剤として、多くの現場で期待を集めています。
Writer_T.Shimomuro
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株式会社堀内牧場 堀内幸浩
福岡県 朝倉市 肥育牛:170頭、母牛:30頭 取材日:2026年1月26日
“今日が初めて”の目を守る平常心
記者「堀内さんが就農されたきっかけについて教えてください。」
堀内さん「元々は畜産じゃない別の仕事をしてたんです。実際に戻ってきたのは30歳のときですね。子どもの頃は、休みがなくて、汚れるし、正直“こんな仕事はやりたくない”って思ってました。でも外で働いてみたら、どの仕事にも大変さはあるって分かった。ちょうどその頃、父が体調を崩して“頭数を減らして畳もうか”って話が出たんです。なくすのは簡単だけど、ここまで続いてきたものを止めるのはもったいない。だったら自分が継いで、もう一回やってみようって。深い理由というより、腹を決めたら意外とシンプルでした。」 記者「畜産の“魅力”とは、どんなところで見えてきたんでしょう?」 堀内さん「一番は“客観的に見られた”ことかもしれません。子どもの頃って遊びたいし、夏休みでも冬休みでも牛の世話で、自由がない印象だけが残るんですよね。でも別の仕事を経験して、良い面も悪い面もあるのはどこも同じだって気づいた。そこで改めて畜産を見ると、マイナスに見えやすいだけで、実はやりがいが大きい仕事だなって思えたんです。生き物と向き合って、状態が良くなったときの手応えとか、うまく育ったときの喜びとか。そういうのは、机の上だけじゃ味わえない。戻ってから、その魅力がじわじわ効いてきましたね。」 記者「牛飼いの中で、いちばん苦労していることは何ですか?」 堀内さん「“毎日同じ感情で牛を見る”ってことが一番むずかしいです。慣れって便利なんですけど、慣れた瞬間に見落としが出る。だから極端に言えば“今日が初めて”くらいの気持ちで、同じ作業を繰り返さないといけない。自分の調子が良い日も悪い日も、牛には関係ないですからね。成績が良いと気が緩みそうになるし、悪いと焦って視野が狭くなる。そこをブレずに、平常心で観察する。結局、技術より先に“自分のコントロール”が問われる仕事だなって、今も思います。」 記者「今後、堀内さんの牧場をどうしていきたいですか?規模や理想の和牛像など、イメージがあれば教えてください。」 堀内さん「規模は少し増やしたい気持ちもありますけど、それより“より安全で、よりおいしい和牛”を安定して作れるようにしたいです。和牛って、日本のこの飼い方・管理の積み重ねで成り立ってると思うんですよ。だから質のブレを減らして、全体の底上げをしたい。あと、最近は赤身志向もありますけど、改良が進んでサシは入りやすくなってるのが現実で、簡単に昔に戻れる話じゃない。だったらサシは活かしつつ、胃もたれしにくい“脂の質”を餌の工夫で作っていく。人の都合で牛を振り回すんじゃなくて、牛に報いるやり方で、食べた人が“もう一口いける”って思える肉を目指したいです。」 足し算より引き算の飼養管理
記者「堀内さんがいちばん大事にしている考え方は何ですか?」
堀内さん「一番は“できるだけ何事もシンプルにする”ってことです。極端な話、濃厚飼料と粗飼料、この“さじ加減”だけで上手に牛を仕上げられるようになりたいんですよ。もちろん現実はそんな簡単じゃないし、添加剤とかいろんなものに助けてもらう場面はあります。でも、先に何かを足すんじゃなくて、まず牛の状態をちゃんと見て、“今この牛に足りないのは何か”“何を求めてるか”を読み取る。そこができれば、余計なものを使わずに済む。手間を省くためのシンプルじゃなくて、観察の精度を上げた先にたどり着くシンプル、って感じですね。」 記者「堀内さんの言うシンプルとは、具体的にはどういう飼い方のイメージですか?」 堀内さん「“道具や薬で整える前に、牛のコンディションで整える”ってイメージが近いです。例えば、餌の内容をあれこれ足して反応を見るより、まず粗飼料と濃厚飼料の組み立てで土台を作る。牛がしっかり食べて、胃(ルーメン)の動きが落ち着いて、便の感じも整って、毛ヅヤも出る。そういう基本ができてると、結局余計な“テコ入れ”が減るんですよ。もちろん群飼いなので、全頭が同じ反応ってわけにはいかない。だからこそ、群全体の空気を見ながら、個体も見て、ズレが出そうな牛を早めに拾う。シンプルにしたいっていうのは、雑にしたいって意味じゃなくて、“見る力”を磨いて、余計なことを減らしたいってことなんです。」 記者「堀内さんが尊敬している方はどのような方ですか?」 堀内さん「自分が始めた頃に筑前町におられた“行武(ゆくたけ)さん”って方ですね。この辺だと福岡でも結構有名な人で、頭数はめちゃくちゃ多いわけじゃないのに、いい枝肉を作る。もちろん素牛の選び方もうまかったと思うんですけど、それ以上に、牛に対する情熱がとにかくすごかった。もう前面に出てるタイプで、誰が見ても“この人、牛が好きなんだな”って分かる熱量。自分はどっちかというと内に秘めるタイプなんですけど、それでも“50、60になっても、何十年続けても、あの情熱を持ち続けるのはすげえな”って単純に憧れました。病気をされて亡くなられて、今はもう廃業されてるんですけど、やり方というより、あの姿勢が今も自分の芯になってますね。」 共存で、食わせる“感動の一口”
記者「アソードを導入された“きっかけ”について教えてください。」
堀内さん「一番のきっかけは、ほんと“たまたま飛び込みで来た営業の方との出会い”です。牧場やってると、飛び込みで話をしに来る人も時々いるんですけど、こっちも散々いろんな話を聞いてきてるから、“いいことばっかり言うなあ”って思う場面もあるんですよ。うまくいく話だけ並べられても、現場はそんな甘くないって知ってるんで。でもその時は、話してて最初に思ったのが『あ、この人、嘘ついてないな』って。こっちが突っ込んで聞いたことに対しても、返しが早くて、準備してきてるのが伝わった。自信があるからこそ、どう広めたいかまで筋が通ってる感じがしてね。うちに合うかは別として、もしハマるなら“使わん手はない”って、興味がふっと湧いて。滅多にポンって導入することはないんですけど、その時は珍しく、スッと試してみようってなりました。導入は、1年経つか経たないか…そのくらいですね。」 記者「実際に使ってみて、まず最初に見えた変化はどこでしたか?」 堀内さん「子牛のミルクで使い始めたその日から、便が変わったのが一番分かりやすかったですね。色が濃くなったというか、黒さが増したというか…“消化がちゃんと回ってるな”って感じる締まり方になった。下痢がゼロになるわけじゃないけど、下痢する頻度は確実に減りました。あと、スターターの食い始めが早くなったのも大きいです。感覚ですけど、食う量は2割以上増えてると思います。うちは80日で離乳なんですけど、前は80日で1キロ食ってれば“まあいい方”だったのが、今は60日で1キロ食う子牛が増えてきました。『1キロを安定して食う時期が早くなった』っていうのが、現場での実感ですね。」 記者「成長の仕方にも変化はありましたか?」 堀内さん「まさにそこです。体の“幅”が出だしたんですよ。今までも大きくはなってたけど、幅があんまり出なかったのが、哺育の段階で“厚みがついてきたな”って感じるようになりました。しかもミルクの量は変えてない。そこがまた面白いところで、食いが安定して、スターターを早くからしっかり食べられるようになった結果として、体づくりの土台が整ってきたのかなって。あと、うちは注射でドンと入れるより、基本的に口から入れるやり方が好きなんです。注射って、効く時は効くけど怖さもある。口からだとロスはあっても、牛の反応を見ながら調整できるし、感覚的にも安心なんですよね。」 記者「子牛だけじゃなく、親牛にも使っていると聞きました。繁殖面ではどうですか?」 堀内さん「親牛も使ってます。分娩の1か月前から、決まった量を入れてるんですけど、一番変わったのは“産後の初回発情が明確になった”ことですね。ここが見えると、そこを起点に次の動きが組み立てられる。結果として、産んでから40〜55日くらいの間で種付けがほぼできてる。初回発情って、ほんと見つけるのが難しいんですけど、それが分かりやすくなったおかげで観察もしやすいし、準備もできる。今のところは“一発で付いてる牛が多い”っていう実感もあります。環境や管理で差は出ると思うけど、うちでは繁殖のところで手応えがかなりありますね。」 記者「最後に、堀内さんの座右の銘について教えてください。」 堀内さん「『共存』ですね。自分が今こうやって牛の仕事をさせてもらえてるのも、結局“たまたま”牛屋の息子に生まれて、“たまたま”継いで今がある。そう思うと、偉そうなことは言えないんですよ。むしろ、教えられてるのはこっちの方で。牛って、こっちが分かったつもりでいても全然分かってなくて、毎日『まだ知らんことあるな』『もっと知りたいな』って気持ちにさせられる。そういう存在が牛なんです。それに、牛肉ってタンパク源のひとつとして絶対に必要な食べ物だと思ってるし、自分は“感動する牛肉”を作りたい。食べた瞬間に、ちょっとアドレナリンが上がるような、衝撃があるやつ。特に若い子に食べてもらって、反応を見るのが楽しくてね。『美味しい』で終わってもいいけど、そこから興味を持ってくれる子もいる。そういう“きっかけ”を増やしていきたいんです。で、そのためには牛だけじゃなくて、周りの人、獣医さんも餌屋さんも、流通の人も、食べる人も、みんなで同じ方向を向かないといけない。牛肉って野菜みたいに“採れた、食え”じゃなくて、間に関わる人が多い分、どこかが雑になると美味しさが届かない。だからこそ、牛とも、人とも、次の世代とも、ちゃんとつながって、みんなで良さを感じながら生きていく。それが自分の言う『共存』ですね。牛飼いが減ってるのも確実で、牛の数が減れば価格も上がる。そういう現実の中でも、和牛を“文化”としてちゃんと食べてもらえる形を残したい。その中で自分は、牛肉の役割を果たせるように、他に負けない“感動する一口”を作り続けたいと思ってます。」 レブセルSC
生きた酵母を含む機能性飼料「レブセルSC」は、ルーメンの微生物バランスを整え、牛の“食いの安定”をサポートします。特にわらや乾草をしっかり食べる牛づくりを目指す方におすすめで、天候や湿度による食いムラを抑える効果も実感されています。堀内さんが10年以上使い続けられている信頼のアイテムです。
アソード
アソードは、子牛の軟便をサポートし、導入初日から便の変化が見られるなど即効性のある効果が特徴です。色が黒く、締まりのある便になったことで「消化がしっかり回っている」と実感されており、下痢の頻度も明らかに減少。スターターの食い始めも早まり、従来より20日以上早い段階で1kgの食い込みに到達する子牛が増加しています。その結果、体の大きさだけでなく“幅”や“厚み”といった質感のある成長が可能となり、土台からしっかりした体づくりに貢献しています。
Writer_T.Shimomuro
壱心farm 基山美奈子
鹿児島県 大島郡(伊仙町) 母牛:60頭、子牛:45頭、闘牛:3頭 取材日:2025年8月21日
血を選び、代を重ねて、形にする
記者「基山さんの牧場での“こだわり”について教えてください。」
基山さん「うちは繁殖農家として、母体作りに一番力を入れています。種付けして、良い子牛を生ませるのが仕事の要。だからこそ、基礎となる母牛の血統や体調管理には特に気を使っています。自分が肉牛を始めた当初から血統重視でやっていて、その血を受け継ぐメス牛を残して代を重ねていく。今の牧場は、そうやって作り上げてきた形なんです。」 記者「特にどの血統を使っているんですか?」 基山さん「一番の柱は“安福久”の血を引いた母体ですね。この牛の力は群を抜いていると思っていて、たまたま人気が出る直前に、うちでメスが立て続けに生まれたんです。その子たちを全部残して増やしていった結果、A5の12番の評価をもらう子牛がどんどん出るようになりました。購買者さんからも“メスが生まれたら必ず保留して”と言われるくらいで、今じゃ繁殖牛の8〜9割が自家産の牛です。」 記者「繁殖成績もすごく良さそうですね。」 基山さん「おかげさまで、2023年は分娩間隔が365日できていて、翌年は372日と安定した成績を出せています。出産後すぐには無理をさせず、発情2回目、だいたい30〜40日目あたりで子宮の回復を見て種付けします。一年一産はもちろん、より早いペースでまわせるようになってきているので経営的にも助かっています。ここは本当に慎重に、でも着実にやっている部分です。」 記者「種の付きやすさについてはいかがでしょうか?」 基山さん「だいたいの牛は1回、長くても2回でついてくれます。もちろん例外はあって、4〜5回かかる子もいますが、全体としては優秀だと思いますね。これは母体の質と、受精師さんの腕の両方に助けられている部分だと思います。あとは栄養管理も大事で、うちでは青草よりもロールサイレージが多い分、ビタミンが不足しがちになるので“ビタラップ”というサプリを産後2週間に1回は欠かさず与えています。」 記者「闘牛についても飼育されていると聞きました。こだわりはありますか?」 基山さん「闘牛は義父の代から続けているんですが、うちのこだわりは“自家産”であること。他の牧場から牛を買ってくることなく、自分たちの牧場で生まれたオスをそのまま闘牛として育てていくスタイルです。闘牛の血を引く無登録メス(血統登録のないメス)に種をつけて、そこから生まれたオスを選抜して投入しています。特に、かつて『第2勝王号』という登録牛を闘牛の母体に掛け合わせて生まれた牛が、全島一になるほどの活躍をしてくれたことは、うちの誇りですね。」 “一勝”の先にある、“壱心”の物語。
記者「壱心ファームさんの牧場について教えてください。牧場を立ち上げられたのはどなたですか?」
基山さん「私が初代になります。特に大きな牛舎というわけではありませんが、自分の手の届く範囲で、しっかり牛を見ながらやっていける規模を大事にしています。畜産を始めたきっかけは、もともと家が闘牛一家で、毎日草を刈るなら、その草も無駄にせず、登録牛を飼って少しでも収入につなげたいと思ったからなんです。趣味の延長のようなスタートですが、今では大切な仕事になっています。」 記者「闘牛は昔からやられていたんですね?」 基山さん「そうですね、嫁ぎ先が、闘牛一家だったので、自然と牛も家族の一員のような存在になってましたね。家族全員で牛に愛情を注いで育ててきました。時には、自分たちの子供よりも牛を大切にしている…というと語弊がありますけど、それくらい牛に情熱を注いできたんです。勝てる牛を育てる、その夢があるからやめられないんですよ。」 記者「壱心ファームという名前にも意味があるんですよね?」 基山さん「はい、実は孫の名前から一文字ずつ取ってつけました。孫の“壱大”ともう一人のお姉ちゃんが“心彩”という名前でして、その"壱"と“心”を合わせて“壱心”です。家族の思いが詰まった名前なんです。」 記者「息子さんも一緒に牧場をやられていると聞きました。」 基山さん「そうなんです。ちょうど2年前の9月に長男が夫婦で帰ってきてくれて、一緒に牧場をやってます。まだ子供はいませんが、いずれ次の代に繋がってくれればという思いもあります。ただ、私たちの役目は息子にしっかりバトンを渡すこと。あとは息子たちが先のことを考えてくれればいいかなと思ってます。」 記者「闘牛の今後の目標などがあれば教えてください。」 基山さん「今、闘牛が3頭いますが、まずは“1勝”が目標ですね。自信のある牛がいて、1勝1敗の成績なんですけど、稽古中に角を折ってしまって…3分の2くらい失いました。でも、やる気はあるので、治ったら復活させたいです。もう一頭はデビューが早すぎたのか、喧嘩をしなかった子で、相手の不戦勝になってしまいましたが、今一番期待している牛です。体重は900kgくらい、中量級でチャンピオンを狙える器だと思ってます。」 記者「牧場で使っているおすすめの道具やアイテムがあれば教えてください。」 基山さん「“アベイラ4”という添加剤ですね。ジンプロという会社の製品で、これを使い始めてから繁殖成績がグッと上がりました。価格は30kgで36,000円ほどと高めですが、与える量は1日10〜30g程度なので、意外と長持ちします。発情がわかりづらかった牛が明らかに変わって、今ではほとんどの牛が1〜2回で種が付きます。導入前は3〜4回が当たり前だったんですけどね。今ではピンポイントで体調に不安のある牛に使うようにしていて、結果にも満足しています。」 “できるか”より、“やるか”
記者「壱心ファームさんでは、アソードという飼料をかなり前から使っていただいていると聞きました。導入のきっかけは何だったんでしょうか?」
基山さん「きっかけは、慢性的な下痢が止まらない子牛がいたことです。何をやっても食欲がなく、特に濃厚飼料を食べてくれなくて、身もつかない状態でした。そんな時に知人から『これ、いいよ』と紹介されたのがアソードでした。試しに飼槽にポンと置いてみたら、下痢の子が舐めてくれて、それをきっかけに濃厚飼料も食べるようになったんです。その子は痩せてましたが、なんとかセリに出せて、これには本当に助けられました。」 記者「その子はその後、どうなったんですか?」 基山さん「その子はセリではそんなに高値はつきませんでしたが、出荷された先でグングン伸びて、最終的には体重800kg超え、枝肉で500kg以上になったと聞いています。本当に奇跡のような成長でした。腸内環境が整ったおかげで、後の伸びに繋がったんだと思います。」 記者「それはすごいですね。熊本でも『アソードをあげた牛は伸びる』って話をよく聞きますけど、壱心farmさんもまさにそれですね。他にも印象に残っているエピソードはありますか?」 基山さん「同じように慢性下痢のメスがいて、売っても値段がつかないだろうから保留したんです。アソードをあげ続けていたら、みるみるうちに体調が改善して、登録時には立派な体型に成長してくれて。1回で種もついて、今ではうちの優秀な母牛のひとつになってます。その子の子牛も残すほど良い血統に育って、今じゃ“ばあちゃん牛”として活躍してくれています。」 記者「長く使われてきた中で、使っている時と使っていない時での違いを感じたことはありますか?」 基山さん「実は導入の牛で下痢がひどくなった子がいたんです。今も体つきがガリガリで…。その時アソードが切れていたんですよね。『あの時にあげていたら…』って今でも思います。やっぱり腹づくりや体調管理には大きく関わってくると実感してます。」 記者「最後になりますが、基山さんの“座右の銘”を教えてください。」 基山さん「『為せば成る』ですね。元々、夫が郵便局員で、私は一人で牛飼いをしていました。女だからできないって言われるのが本当に嫌で、自分で牛舎の屋根を建てたり、トラクターの免許も40歳過ぎてから取りに行ったりしました。お産も、最初は獣医さん頼りでしたが、今では異常じゃない限り、自分で全部やります。子牛を死なせた経験があるからこそ、何としてでも守りたいという思いが強くて…。努力すれば、結果はちゃんとついてくるんです。だから、若い人たちにも『まずはやってみて』と伝えたいですね。」 アベイラ4
ジンプロ社のミネラル添加剤「アベイラ4」は、繁殖成績の向上に効果を発揮するアイテムです。1日10〜30gの少量投与で、発情が分かりにくかった牛にも明らかな変化が見られ、種付けの成功率が向上。以前は3〜4回必要だった種付けが、今では1〜2回で済むようになったと基山さんも実感。高価ながらもコストパフォーマンスに優れ、体調管理にも役立つ心強い飼養サポート製品です。
アソード
子牛の腸内環境を整える栄養補助資材「アソード」は、下痢や食欲不振の改善に効果が期待できるアイテムです。実際に慢性的な下痢で濃厚飼料を食べなかった子牛が、アソードを舐めたのをきっかけに回復し、最終的には800kg超の体重にまで成長した事例もあります。他にも、体調を崩して売れなかったメス牛が母牛として活躍するまでに成長したケースも。継続使用により、腹づくりや食い込みの改善が見られ、牧場全体の成績向上にも貢献。基山さんは繁殖牛への活用も視野に入れており、母体の回復促進や後産停滞予防への効果にも注目しています。
Writer_T.Shimomuro
徳田牧場 徳田俊一
佐賀県 唐津市 親牛:43頭 子牛:36頭 取材日:2024年1月24日
愛情の追加哺乳
記者「徳田さんの牧場では、追加哺乳というユニークな方法を採用しているそうですが、その詳細について教えていただけますか?」
徳田さん「私が追加哺乳を始めて約3年になります。これは、母親からの哺乳だけでは十分でないと判断した場合に行います。生後1週間から10日頃から始め、子牛の成長や母牛の状態に合わせて調整します。特に、母牛が痩せ気味で子牛が栄養不足に見える場合は、1日2回、4~5リットルのミルクを追加で与えています。この方法は、子牛の健全な成長を促し、将来的には健康な牛に育てるための重要なステップなのです。」 記者「追加哺乳を行うことで得られるメリットについて教えてください。」 徳田さん「追加哺乳の最大のメリットは、母親から十分に栄養を得られない子牛に必要な栄養を供給できることです。これにより、子牛の成長に必要な栄養のばらつきを補い、予防的に健康を維持します。もちろん、これは私たちの試行錯誤の結果であり、常に最適な量を模索しています。この方法は、子牛の発育だけでなく、将来の健康な骨格形成にも寄与していると考えています。」 記者「追加哺乳によるデメリットはありますか?」 徳田さん「確かに、追加哺乳には経済的なコストや時間の投資が必要です。毎日の追加哺乳は妻と私の仕事量を増やし、牧場全体の手間も増加します。しかし、この手間は必要不可欠な時間の投資だと思っていて、子牛が離乳後に見せる成長の速度や、骨格のしっかりした健康な牛に成長していることがこの手法の価値を証明しています。」
Reporter: "I heard that Tokuda-san's farm uses a unique method called additional feeding. Can you tell me more about it?"
Tokuda: "I've been additional feeding for about three years now. This is done when it is determined that the milk from the mother alone is not enough. It starts around one week to ten days after birth, and is adjusted according to the growth of the calf and the condition of the mother. In particular, if the mother cow is thin and the calf seems undernourished, I give an additional 4 to 5 liters of milk twice a day. This method promotes healthy growth of the calf and is an important step in raising it to be a healthy cow in the future." Reporter: "Please tell us about the benefits of additional feeding." Tokuda: "The biggest benefit of additional feeding is that it provides the necessary nutrients to calves that are not getting enough nutrition from their mothers. This compensates for the nutritional variations necessary for the calf's growth and prevents the calf from losing its health. Of course, this is the result of trial and error, and we are always looking for the optimal amount. We believe that this method contributes not only to the calf's development, but also to the future formation of a healthy skeleton." Reporter: "Are there any disadvantages to additional feeding?" Tokuda: "Indeed, additional feeding does have economic costs and It requires a time investment. Daily supplementary feeding increases the workload for my wife and me, and the overall workload on the farm. However, I believe this is a necessary investment of time, and the rate at which the calves grow after weaning and develop into healthy cows with strong bones prove the value of this method. ” ブラシ一つから始まる物語
記者「ご自身の牛の育て方に点数をつけるなら、何点ですか?」
徳田さん「私たちの育て方は80点ぐらいかなと思います。牛たちの健康管理には自信があります。ですが、環境面ではまだ改善の余地があり、50点程度です。特に、牛たちがストレスなく過ごせる環境作りには、もっと力を入れていきたいと考えています。理想は、2〜3ヶ月は親子1頭ずつスペースを分けて飼ってあげるような環境がベストです。ですが、スペースの制限があるため、現実は1ヶ月経つと親も子も一緒に群れで飼っています。」 記者「種付けの成功率はどうですか?また、その改善にはどのような取り組みをされていますか?」 徳田さん「分娩間隔は初年度に比べて大幅に改善しています。主に餌の量、濃厚飼料の配合、餌のやり方などを見直しました。私の受精技術も向上し、牛たちのストレスを減らすことができたのではないかと思います。」 記者「牧場の運営において、今後の展望を教えてください。」 徳田さん「今後は牛舎のスペースと環境の改善に注力していきたいと考えています。現在の牛舎はおじさんが手作りしたもので、最大50頭までの規模で運営を考えています。新しい牛舎を建てるには大きな費用がかかりますが、安定した経営と最適な投資で、より良い環境を作り上げたいと思います。」 記者「おすすめのアイテムや道具は何かありますか?」 徳田さん「私の一番のおすすめはこのブラシですね。空いた時間には常に子牛をブラッシングしています。これはただのお手入れ以上の意味があって、牛が人に慣れる大切な方法です。この触れ合いによって、牛たちはストレスを感じにくくなり、健やかに成長します。特に子牛が生まれてから6か月間は、私たちが常にそばで世話をすることで、牛たちの心理的な安定に大きく寄与しています。また、最近はアソードという阿蘇の赤土を試しています。まだ使用して2、3日目ですが、これからの効果が楽しみです。特に子牛の下痢や毛ヅヤの改善が見られると嬉しいですね。他にも飼料の選択にも気を使っています。私たちの場合、wcsをメインで使用していますが、牛たちの体型や体調を見ながら、もう少しボリュームを加えたり、消化吸収を良くするための工夫をしています。全体的に、牛たちが健康に育つように、日々のケアには細心の注意を払っています。」
Reporter: “If you had to rate your cow-raising method, how many points would you give it?”
Tokuda: “I’d give our method about 80 points. We’re confident in our cow health management. However, there is still room for improvement in terms of the environment, so I’d give it about 50 points. In particular, I want to create an environment where the cows can live without stress. I would like to put more effort into creating a good environment. Ideally, the mother and herd would be kept in separate spaces for 2-3 months. However, due to space restrictions, in reality, after a month, the mother and herd are kept together in a group. Reporter: "What is the success rate of insemination? Also, what efforts are you making to improve it?" Tokuda: "The calving intervals have improved significantly compared to the first year. We have mainly reviewed the amount of feed, the mix of concentrated feed, and the feeding method. My insemination technique has also improved, and I think we have been able to reduce the stress of the cows. " Reporter: "What are your future plans for the farm?" Tokuda: "I would like to focus on improving the space and environment of the cowshed. The current cowshed was hand-built by my uncle, and I am thinking of operating it with a maximum of 50 cows. It will cost a lot of money to build a new cowshed, but I would like to create a better environment with stable management and optimal investment." Reporter: "Are there any items or tools that you would recommend?" Tokuda: "My number one recommendation is this brush. I always brush the calves in my free time. It's just It is more than just grooming; it is an important way for the cows to get used to people. This contact makes the cows less stressed and helps them grow healthier. In particular, for the first six months after the birth of the calves, our constant presence in caring for them contributes greatly to the mental stability of the cows. Recently, we have also been trying out Asodo, a red soil from Aso. It has only been two or three days since we started using it, but we are looking forward to seeing the effects it will have. We would be particularly happy if we could see an improvement in the calves' diarrhea and the shine of their coat. We also pay careful attention to the choice of feed. In our case, we mainly use WCS, but we also use it to find ways to improve the cows' body shape and Depending on their physical condition, we add more volume and make efforts to improve digestion and absorption. Overall, we pay close attention to the daily care of the cows so that they grow healthy. ” 愛情と謙虚さの育て方:徳田牧場の哲学
記者「尊敬する人や師匠についてお聞かせください。」
徳田さん「親戚のおじさんが私の師匠ですね。名前は控えさせていただきますが、彼はこの牧場を現在の規模まで成長させた人物です。特に彼の牛への接し方、愛情を持って世話をする姿勢は、私にとって大きな影響を与えました。」 記者「おじさんの考え方を取り入れた具体的な方法はありますか?」 徳田さん「はい、例えば名前を呼びながら撫でるという接し方です。この方法は人間に対する牛のストレスを減らすのに非常に効果的です。私もこの方法を取り入れて、牛たちと深い信頼関係を築いています。」 記者「今後の目標について教えてください。」 徳田さん「具体的な目標というよりは、規模拡大よりも質の高い牧場経営を目指しています。息子が帰ってきたときに、この牧場を引き継げるような環境を作りたいと考えています。そのためにも、人との関係を大切にし、受けた恩は忘れずに、腰を低く持ち続けることが大事だと思っています。」 記者「座右の銘はありますか?」 徳田さん「"受けた恩は石に刻め、施した恩は水に流せ"、ですね。牧場を始めた当初、多くの方々からの支援を受けました。その恩は忘れず、常に感謝の気持ちを持ち続け、謙虚な姿勢で仕事に取り組んでいます。畜産業を続けていく上で、人との関わりが最も重要だと、日々感じています。」
Reporter: “Please tell us about a person you respect or a mentor.”
Tokuda: “My uncle is my mentor. I won’t mention his name, but he is the person who grew this ranch to its current size. In particular, the way he treats the cows and his attitude of caring for them with love had a big influence on me.” Reporter: “Are there any specific ways in which you have incorporated your uncle’s ideas?” Tokuda: "Yes, for example, I stroke them while calling their names. This method is very effective in reducing stress on cows towards humans. I also use this method and have built a deep relationship of trust with my cows." Reporter: "What are your future goals?" Tokuda: "Rather than a specific goal, I aim to run a high-quality farm rather than expanding the scale. I want to create an environment where my son can take over this farm when he returns. To that end, I think it's important to value relationships with people, not forget the kindness that has been shown to me, and keep a humble attitude." Reporter: "Do you have a motto?" Tokuda: "'Carve the kindness you have received into stone, and let the kindness you have shown flow away." When I first started the farm, I received support from many people. I never forget those kindnesses, always keep a sense of gratitude, and work with a humble attitude. I feel every day that the most important thing in continuing the livestock industry is relationships with people." ブラシ
牛のブラッシングはただのお手入れだけではなく、牛が人に慣れるための大切なふれあいなのだそうです。
特に子牛は最初の育て方がとても大切で心理的に安心させストレスを和らげてあげる効果があるのだそうです。
Brushing cows is not just a form of care, but an important interaction that helps cows get used to people.In particular, the initial care of calves is very important, as it is effective in reassuring them psychologically and relieving stress
アソード
WCSをしっかり食べてもなかなか体が大きくならないことで悩んでいた時にアソードと出会いました。
鉄分をしっかり採ることで増体に繋がったり下痢の締まりや受胎率の改善など様々な面で喜んでいる農家がいることをと聞き興味を持ったそうです。金額もお手頃だったため導入のハードルが低かったと話していました。
He discovered Asode when he was worried that his calves were not growing much even though they were eating a lot of WCS.He became interested after hearing that there were farmers who were happy with the many benefits of getting enough iron, such as increased weight gain, less diarrhea, and improved conception rates. He said that the price was also reasonable, so the hurdle to introducing it was low.
Writer_T.Shimomuro
松尾畜産 松尾治実
熊本県 阿蘇郡 親牛:57頭、子牛:40頭 取材日:2023年10月17日
栄養と環境の調和
記者「牛舎や飼料の管理において、最も重視している点は何ですか?」
松尾さん「私たちは、牛の健康と成長を最優先に考えています。特に栄養バランスに注目し、ビタミンが豊富な稲藁や牧草を中心に与えています。イタリアン牧草やWCSなど、質の高い飼料を使用しており、ビタミンとタンパク質をバランスよく摂取させることで、牛たちの健康を支えています。濃厚飼料としては、「繁殖ゆい」という特別な飼料を使用。これにより、牛たちが必要とするビタミンとタンパク質を効率的に摂取できるんです。」 記者「敷料の管理に関する現状の課題は何ですか?」 松尾さん「最近、鋸屑の入手が困難になっているんです。これにより、敷料を長く使い続ける必要があり、アンモニアの問題に直面しています。以前はEM菌を使用していましたが、現在はその商品が手に入らず、別の対策を考えています。敷料の管理は、牛たちの快適な環境を保つために非常に重要なんですよ。」 記者「牛舎の清掃方法について教えてください。」 松尾さん「牛舎の清掃は定期的に行っています。具体的には、鋸屑を3か月に1回交換しており、これが牛舎の清潔さを保つための重要なポイントです。牛舎が広がったことで、清掃の頻度は減りましたが、常に衛生的な環境を維持することには変わりありません。」 記者「出荷前の牛の飼育において、特に重視しているポイントはありますか?」 松尾さん「出荷前の7か月間は特に重要で、ビタミンとタンパク質を重視した飼料を与えています。大豆かすやアルファルファの粉状のミールを主なタンパク源として利用しています。ビタミンに関しては、獣医のアドバイスを受けながら、最適な配合を心がけています。健康的で質の高い牛に育てるために、飼育環境や飼料には特にこだわっているんです。」 基本に忠実な哲学
記者「松尾さんの座右の銘と、それに至った経緯を教えてください。」
松尾さん「私の座右の銘は「基本に忠実」です。これは、草地畜産研究所で学んだことが根底にあります。高校卒業後、この熊本県にある畜産学校で1年間学び、特に獣医の竹下先生の影響を受けました。先生は実践重視で、牛の治療なども学生に任せてくれるほど責任感が強い方でした。彼の教えが私の畜産経営の基本となっているんです。」 記者「若返った場合、どのような畜産経営に挑戦したいと思いますか?」 松尾さん「若返ったら、規模を大きくすることに挑戦したいですね。具体的には、一貫経営に興味があります。市場性のない子牛を自分で肥育し、出荷するような経営を行いたいと考えています。無農薬栽培の米農家の話にも触発され、その価格の高さに関心を持ちましたが、クレーム対応の大変さも理解しています。もし可能なら、一貫農家として規模を拡大してみたいです。」 記者「恩師の竹下先生から学んだ畜産経営の基本について詳しく教えていただけますか?」 松尾さん「竹下先生から学んだ最も重要なことは、実践的な知識と経験を重視することです。牛の治療や管理に関する具体的な技術だけでなく、畜産経営におけるリアルな課題への対応方法も教わりました。先生の指導は、私の経営方針の礎となり、日々の業務に大きく影響を与えています。」 記者「松尾さんが興味を持っている一貫経営における最大の魅力とは何だと思いますか?」 松尾さん「一貫経営の魅力は、生産プロセスの全段階を自分たちでコントロールできる点にあります。子牛の肥育から出荷までを一貫して行うことで、品質管理を徹底し、より高い付加価値を生産物に付けることが可能です。また、市場の変動に対応しやすく、経済的な安定性を高めることも期待できます。このような経営スタイルは、私たち農家にとって新しい挑戦であり、大きな可能性を秘めています。」 観察力と経験の教訓
記者「新規就農者に対して、松尾さんが特に強調する畜産管理のポイントは何ですか?」
松尾さん「新規就農者に対して最も強調したいのは、「観察」の重要性です。特に「牛の早期発見、早期治療」が不可欠だと考えています。これは、去年の苦い経験から得た教訓です。頓死が多発し、朝まで元気だった牛が亡くなっていることが何度もありました。胃捻転やガス溜まりが原因の可能性もあるため、細かな観察と迅速な対応が肝心です。」 記者「具体的にどのような事例があったのですか?」 松尾さん「昨年、悲しい事例がいくつかありました。生後2ヶ月の牛が突然死んだり、5〜6ヶ月齢の牛が頓死する事例が3頭もありました。また、生後3日で踏まれて死亡するケースも。そうした経験を踏まえ、今年は離乳を早めに始めて踏まれるリスクを減らす工夫をしましたが、残念ながら死亡例はまだ発生しています。」 記者「松尾さんはこれらの経験から何を学び、新規就農者に伝えたいと考えていますか?」 松尾さん「これらの辛い経験から学んだことは、牛の微細な変化に気づく観察力の重要性です。牛の健康状態を早期に把握し、迅速に治療することが、命を救う鍵となります。新規就農者には、この観察の大切さをぜひ伝えたいです。より多くの牛の命を守るために、私の経験が役立てばと願っています。」 記者「松尾さん自身が取り組んでいる、牛の早期発見・早期治療に向けた具体的な対策はありますか?」 松尾さん「牛の早期発見と治療に向けては、定期的な健康チェックを強化しています。毎日、牛たちの様子を細かく観察し、異常が見られたらすぐに対処する体制を整えています。また、環境面でも改善を進めており、踏まれリスクの低減など、牛たちがより快適に過ごせるよう工夫しています。これらの取り組みにより、牛の健康を守り、安心して育てられる環境を提供しています。」 アソード
赤牛は後産停滞が多く困っていたところ、商品を知ったそうです。
また、鉄分補給の重要性も感じていたため健康な牛作りを期待して使用しています。
Writer_Y.Eguchi
美間坂牧場
佐賀県唐津市 和牛:65頭 取材日:2023年6月14日
はじめに
美間坂牧場では、ICT(※1)導入による効率化とゲノム(※2)活用による品質向上に取り組まれています。また、自家牧草の栽培にも工夫を凝らしており、牛の健康と成長に寄与しています。本記事では、肉牛枝肉共励会で2年連続最優秀賞を受賞した美間坂さんの取り組みについて詳しくご紹介します。
(※1)情報処理および通信技術の総称を指す用語のこと (※2)遺伝子と染色体から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報のこと ICT化で変わる牧場の日常
ー美間坂さんの牧場でのICT導入について具体的な変化など教えていただけますか?
ICTの活用は私たちの業務を大きく変えました。一つは、牛の分娩に関してです。以前は分娩が近づくと、夜通しで見守る必要がありました。しかし、今ではICTの力を借りて、分娩の兆候が現れたときにメールで通知を受け取ることができます。これにより立ち会う頻度が減り、必要以上の労力を割かずにすむようになりました。私自身、この時間を活用して趣味のゴルフを楽しむ時間が増えたほどです。また、このシステムで体調の微妙な変化もすぐに察知でき、必要なケアを適切なタイミングでできるので、牛たちにも優しい道具だと思っています。 最優秀賞への道:ゲノム活用
ー美間坂さんの牧場でのゲノム検査についてお伺いできますか?
私たちの牧場では、ゲノム検査を行って牛一頭一頭のケアに活かしています。具体的には、BMSという遺伝子検査を導入し、その結果を基にエサの調整や、優れた遺伝的特性を持つ子牛の選び出しています。この方法により、私たちは牛の遺伝的な可能性を最大限に活用することができます。 ーゲノム検査のおかげで「見た目」だけではわからない子牛たち1頭1頭の特性を知ることができるのですね。 そうですね。これらの遺伝情報を通じて、病気への耐性や生産性の向上も図ることができます。実際に、当牧場の牛は2年連続で肉牛枝肉共励会の最優秀賞を受賞しました。これも、ゲノム解析を通じて適切な育成を行えた結果と考えています。 牧草品質が牛育成に与える影響
ー美間坂牧場で自家製の牧草を利用していると聞きましたが、その詳細を教えていただけますか?
自家牧草は私の一つのこだわりでもあります。私たちの牧場では、A飼料の「アソード」を食べた牛の堆肥を活用して、土壌を肥沃に保ち、そこで自家製の牧草を栽培しています。この牧草は栄養バランスが理想的で、牛たちの健康維持と成長にすごく役立っています。高品質な牧草を与えることで、種付けの成功率が上がっている気がします。また、自家製の牧草を使用することで、飼料価格の高騰への対策にもなっています。そういった点も含めて、牛たちの品質向上に貢献しています。 ー牧草作りは季節や天候などの影響をうけるのでとても労力がかかるそうですが、美間坂さんお一人でされているのですか? そうですね。基本的には私一人ですべて行っています。一人で牛の世話と牧草の栽培を手掛けるのは確かに大変な作業です。「牛への愛情」があるからこそ、この仕事が続けられるのでしょうね。 ーありがとうございました。 編集後記
今回、美間坂さんの牧場を訪問し、ICT技術の導入やゲノム検査、自家牧草栽培など、革新的な方法で畜産業に取り組む姿を間近で見ることができました。畜産業と聞くと伝統的なイメージが強いかもしれませんが、美間坂さんの牧場のように、最新の技術を活用しながら経営する姿は、まさに新時代の畜産業の姿だと感じました。畜産業とは「牛への愛情」と語る美間坂さんの笑顔には、深い愛情と喜びが溢れていました。
こだわりのアイテム
自家牧草
美間坂さんの育てる牧草はアソードを取り入れた牛の堆肥から作られます。
牧草の質次第で種付けの良さが変わってくるため牧草づくりには特に強いこだわりをもって取り組んでいます。
Writer_T.Shimomuro
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概要和牛農家に3プライドを取材しました。 ■取材日時■
8月 2026
■アソード効果一覧■
すべて
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