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和牛農家 3プライド記事

鹿児島黒牛美由紀牧場 上別府美由紀の3プライド

1/1/2025

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鹿児島黒牛美由紀牧場 上別府美由紀
鹿児島県 鹿屋市
肥育牛:20頭、親牛:340頭、子牛:250頭
取材日:2025年4月2日
  • 母のちからで育つ牛
  • 母体から始まる命のバトン
  • “女のくせに”を力に変えて

母のちからで育つ牛

記者「上別府さんの牛飼いとしてのこだわりについて教えていただけますか?」

上別府さん「うちは“自然哺育”を大切にしていて、できるだけ母乳で育てることにこだわっています。具体的には、4ヶ月間しっかり母乳を飲ませながら育てる自然哺育を実施しています。今の主流は2ヶ月で早期離乳するところが多いですが、うちではあえて長くすることで、ストレスが少なく、健康な子牛に育ってくれると感じています。離乳後の発熱や食欲不振も減ってきたので、うちにとってはこの方法がベストだと思っています。」


記者「早期離乳のリスクについても話題になりますが、上別府さんのところではどう対策されているんですか?」

上別府さん「確かに親に踏まれるなどの事故リスクから早期離乳が流行ったこともありました。でもうちは1ヶ月ほど親子だけで過ごす時間を設けて、その後、似た月齢の4頭を1グループにして“生乳哺育”に切り替えています。お母さんが餌を食べてる間に授乳させ、それ以外は子牛部屋で過ごさせるんです。これで事故のリスクを最小限にしながら、母乳育ちの良さを活かせるようにしています。」


記者「かなり手間のかかる育て方かと思いますが、大規模経営の中でそれを実践されているのは珍しいですね。」

上別府さん「そうなんですよ。うちは繁殖牛340頭ほどいて、その中で自然哺育をやるには分娩室の数や人手も必要です。正直手間はかかります。でも人工哺育って自分があまり得意じゃなくて…。ミルク代もかかりますし、朝夕必ずやらないといけない。お母さん牛の代わりはできないと思うんです。だからこそ、手間をかけても自然哺育にこだわっています。」

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記者「子牛の健康管理も徹底されていると聞きましたが、どのように行っているんでしょうか?」

上別府さん「生まれてから3ヶ月間が勝負だと思っているので、毎日全頭の検温と検便をしています。特に自然哺育だと、子牛が不調でもお母さんにくっついているので気づきにくいんですよ。だからこそ、毎日必ず全員チェック。今はスタッフで分担してやっているので、時間もそんなにかからず、1時間以内で終わります。子牛も慣れていて、寝たままでも体温測れますし、便も出してくれるので助かっています。」

母体から始まる命のバトン

記者「上別府さんが育てている牛の状態について、点数をつけるなら何点でしょうか?」

上別府さん「うーん、今は80点くらいですかね。やっぱり地元には尊敬する先輩方がいらっしゃって、まだその域には達していないなと感じてます。でも、毎日スタッフみんなで愛情込めて育ててるし、発育にばらつきはあっても、小さい子も含めて手をかけて育てている自負があります。その気持ちがあるからこその80点です。」


記者「その80点の理由として、特に評価している点はどこになるんでしょうか?」

上別府さん「やっぱり一番は“手をかけている”ってところですね。毎日の検温・検便はもちろん、競り前にはしっかりブラッシングして、どこに出しても恥ずかしくない状態に仕上げています。他の人に触られても驚かないような、人に慣れた牛づくりを心がけています。健康状態もよく、無駄な脂肪がつかないようにも調整しています。」


記者「逆に、あと20点分の伸びしろ、課題と感じている部分はどこですか?」

上別府さん「やっぱり母体の管理ですね。子牛が生まれてからだけじゃなくて、生まれる前の母牛の状態をどう整えるかが課題です。自家製の牧草を使ってますが、天候や季節で質にばらつきがある。そこが安定すれば、もっと良い子が生まれるはず。今年からはミキサーを導入して、飼料を毎回一定のバランスで混ぜて与えられるようにしています。まだ始めたばかりですが、改善につながると信じてます。」


記者「おすすめアイテムについても教えていただけますか?」

上別府さん「まずは“電動台車”ですね。濃厚飼料を運ぶのに使っていて、600キロまで運べて、ボタンひとつで前後に動きます。女性スタッフが多いので、力仕事の負担を減らすためには欠かせません。あとは“キックボード”。広い牛舎内の移動に使ってて、音も静かで牛を驚かせないし、忘れ物を取りに行くのにも便利。さらにフォークリフトも重宝してます。子牛を1度に4頭移動できるので、市場出荷のときも効率的。すべては『少人数でもしっかり牛を見られる体制づくり』のために導入しています。」

“女のくせに”を力に変えて

記者「上別府さんの師匠や目標にされている方について教えていただけますか?」

上別府さん「はい、私の師匠は地元で一番大きな農場を経営されている、平松畜産の社長です。何がすごいって、自分が経験して得た知識を惜しまず教えてくださるんです。牛のことはもちろん、経営のこと、お金の借り方や餌の組み方、さらには牛舎の設計や建設に至るまで全部サポートしてもらいました。最初に牧場を立ち上げる時は本当に何も分からなくて不安でしたけど、社長のアドバイスがあったから今があります。」

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記者「すごく頼りになる存在ですね。」

上別府さん「はい、今でもお付き合いがあります。規模は全然違いますが、同じように一歩ずつ拡大していこうという気持ちは共通していて、よく情報交換させてもらってます。スタート時に目標設定の仕方や資金計画まで一緒に考えてもらったので、今の経営の土台は本当に社長のおかげだと思っています。」


記者「上別府さんの座右の銘を教えていただけますか?」

上別府さん「“これが私の生きる道”ですね。最初は周りから“女のくせにできるわけない”とか言われたこともありましたけど、自分で選んだ道だし、今はまったく後悔していません。牛飼いって昔は恥ずかしい職業って思われがちでしたけど、今は若い子たちがSNSを通して楽しそうに発信してくれて、それを見るのがすごくうれしいです。生涯この仕事を楽しんでいきたいし、自分の道を信じて歩いていきたいと思っています。」


記者「その姿勢が他の若手にも影響を与えているんですね。最後に上別府さんが実行委員長を務められている"全国モーモー母ちゃんの集い"について教えてください。」

上別府さん「そうなんです。最初は正直、“私なんて”って思ってましたけど、前回の島根大会で“鹿児島が引き受けてくれないとこの会は終わる”と言われて、これは何とかしなきゃと決意しました。この集いとの出会いも大きくて、沖縄大会では大分の本川牧場の社長さんの話を聞いて、“借金は悪いことじゃない、必要なら借りて返せばいい”という考え方に衝撃を受けました。私も最初は借金にすごく抵抗がありましたが、その考えが背中を押してくれたんです。私自身、この集いに参加したことで大きな影響を受けたので、もっとたくさんの人にこの機会を届けたいですね。何より、普段は出会えないような仲間たちと繋がれる貴重な場なんです。締め切りは4月10日になっていますが4月中であれば申込対応できますので、ぜひ多くの方に知ってもらえたら嬉しいです。」


写真

電動台車

電動台車は、バッテリー式で600kg程度までの重量物を運搬できる便利な台車です。ボタン一つで前進・後退ができるため、重い荷物も力を使わずにスムーズに移動できます。特に女性が多く働く現場では、安全かつ効率的な作業が可能となり、大変重宝されています。省力化と作業効率の向上に貢献するアイテムです。

キックボード

牛舎内の移動に活躍するキックボードは、静音性に優れ、狭い通路でもスムーズに走行できるのが特長です。広い敷地内を歩くことなく見回りができ、作業効率を飛躍的に向上させます。忘れ物を取りに戻る際にもスピーディーに対応でき、従業員同士の負担軽減にもつながります。牛へのストレスも少なく、快適な飼育環境づくりにも一役買うアイテムです。

フォークリフト

牛の移動作業を安全かつ効率的に行うために、フォークリフトに専用のかごを取り付けて使用します。特に子牛の出荷や分娩室からの移動時に活躍し、複数頭を一度に運ぶことが可能です。トラックの大きさに合わせた設計のかごで、スムーズな積み下ろしが可能。女性スタッフでも扱いやすく、少人数でも多頭管理が可能な、現場に優しいソリューションです。

Writer T.Shimomuro
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    概要

    和牛農家に3プライドを取材しました。

    ■取材日時■

    4月 2025
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熊本営業所:熊本市北区龍田3丁目32−18

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