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高本ファーム 高本茜
熊本県 合志市 子牛:10頭、育成牛:6頭、母牛:16頭 取材日:2026年7月1日 受け継ぐ牧場、繋ぐ未来
記者「高本さんが牧場を継ごうと決めたきっかけや、牧場運営を始めることになったエピソードを教えてください。」
高本さん「実は高校を卒業する前から、いつかは家の牧場を継ごうという気持ちは持っていました。当時は外で仕事をしながら家業を手伝う形も考えていたんですが、父が体調を崩し始めたことが大きな転機になりました。父は大腿骨を骨折するなど、少しずつ体に不調が出ていて、『このままでは自分が継がなければ牧場を守れない』という思いが強くなったんです。そこで覚悟を決めて、牧場一本でやっていこうと決意しました。祖父の代から続く牧場なので、その歴史を絶やしたくないという気持ちもありましたし、小さい頃から当たり前のように牛と一緒に育ってきたので、自分にとっては自然な選択でもありました。」 記者「牧場を運営する中で、特に苦労したことや印象に残っている出来事はありますか。」 高本さん「意外に思われるかもしれませんが、一番大変だったのは車の免許を取ることでした。自動車学校までは順調だったんですが、本免許を取得するために免許センターへ行って試験を受けるのが本当に苦労しました。それ以外にも、牛を扱う仕事ではケガをすることもありますし、毎日が勉強ですね。また、令和5年度には品評会へ牛を2頭出品し、そのうち1頭が2席という結果をいただきました。ただ、品評会では牛をきちんと立たせたり落ち着かせたりする技術も必要で、その準備や練習はとても大変でした。良い結果はうれしかったですが、その裏にはたくさんの苦労がありました。」 記者「高本さんにとって、牛を育てる仕事の魅力や楽しさはどんなところにありますか。」 高本さん「私は物心ついた頃から牛がいる環境で育ちました。記憶にあるのは3歳くらいからですが、それ以前から牧場には牛がいて、牛と一緒に成長してきたような感覚があります。祖父の代から続く牧場なので、牛のいる生活は私にとって当たり前の日常でした。小学校の頃には『将来は牧場を継ぐ』と自然に思っていましたし、その気持ちは今でも変わっていません。牛を育てること自体が好きですし、一頭一頭の成長を近くで見守れることに大きなやりがいを感じています。毎日世話をするからこそ、牛が元気に育ってくれる姿を見る瞬間が何よりうれしいですね。」 記者「これからの高本牧場について、近い目標や将来の夢を教えてください。」 高本さん「まずは牛舎の環境をさらに良くしたいと考えています。以前は2つの牛舎があり、スペースが狭くて堆肥の管理もしづらい部分がありました。だからこそ、今後は飼育スペースをもっと使いやすい形に整備して、牛にとっても人にとっても管理しやすい牧場を目指したいですね。そして直近の目標は飼養頭数を30頭まで増やすことです。現在は子牛も合わせて19頭いるので、あと11頭増やせば目標に届きます。一気に100頭規模を目指すというより、自分たちらしく丁寧に牛を育てながら、少しずつ規模を広げていくことが今の目標です。」 牛との向き合い方が信頼を作る
記者「高本さんが牛を育てる上で、一番大切にしているこだわりを教えてください。」
高本さん「正直に言うと、最初は『これが自分のこだわりです』と意識したことはあまりなかったんですが、今一番大切にしているのは、人によく慣れた牛を育てることです。うちの牛は比較的フレンドリーな子が多く、誰でも触れられるくらい人懐っこい性格なんですが、もっと落ち着いて人と接する牛に育てたいと思っています。競り場では慣れていない牛ほど落ち着きを失ってしまうこともあるので、普段から人との信頼関係を築いておくことが、牛にとっても人にとっても大切だと考えています。」 記者「人に慣れた牛を育てるために、普段どのようなことを意識していますか。また、メリットや難しさも教えてください。」 高本さん「特別なことではありませんが、とにかく毎日牛と接することを心掛けています。近くで声を掛けたり、優しく触ってあげたりして、人を怖がらないように育てています。ただ、小さい頃に無理をさせると逆に人を怖がるようになることもあるので、その子の性格を見ながら距離感を大事にしています。人に慣れることで管理もしやすくなりますが、慣れすぎると牛との距離感が分からなくなり、人に乗ってきたりすることもあります。だからこそ、信頼関係を築きながらも適度な距離を保つことが大切だと感じています。」 記者「飼育方法や血統について、高本さんが特に意識していることはありますか。」 高本さん「最近は組合のトウモロコシを与えるようになり、以前よりも胴がしっかり伸びた体つきの良い牛が育つようになったと感じています。もちろん餌だけではなく、与え方や管理方法も影響すると思います。また、獣医さんや種付けでお世話になっている河北さんからは、血統ごとの特徴を教えていただきながら勉強しています。例えば『諒太郎』という血統は風邪をひきやすい傾向があるため、体調の変化を特に注意して見ています。良い特徴だけを見るのではなく、それぞれの血統の弱い部分も理解しながら、一頭一頭に合った管理をすることを心掛けています。」 記者「牧場で長年愛用している、おすすめの道具やアイテムがあれば教えてください。」 高本さん「子牛は小さい頃に下痢をしやすいことがあるので、『ミヤリサン』は牧場に欠かせないアイテムです。少しお腹の調子が悪そうだと感じた時に餌へ混ぜて使っていて、本当に何度も助けられてきました。父の代から20年近く使い続けているくらい信頼している製品です。青とオレンジの2種類を常備していて、溶けやすさなどに違いはありますが、どちらも状況に応じて使い分けています。毎日の管理は小さな積み重ねですが、こうした道具に支えられながら牛の健康を守っています。」 未来へ残したい牛を育てる。
記者「アソードを導入したきっかけと、実際に感じた効果について教えてください。」
高本さん「導入する前は、思うように受胎しないことが多くて、『どうしたら受胎率を上げられるだろう』と悩んでいました。そんな時に吉岡さんからアソードを紹介していただいたのがきっかけです。使い始めてからは、それまで3頭中何頭つくかなという状態だったのが、3頭すべて受胎することも増え、繁殖成績が安定してきました。それだけでなく、生まれてくる子牛の毛並みや気質も以前より良くなったように感じています。以前は個体差が大きかったのですが、全体的に質が揃い、牛の状態が安定してきたことで『導入して良かった』と実感しています。家族も見た目の変化を感じるほどだったので、今では欠かせない存在になっています。」 記者「アソードを使う中で、新たな目標や理想の牛づくりは見えてきましたか。」 高本さん「受胎率や子牛の質が安定してきたことで、次はもっと体格の良い牛を育てたいという目標ができました。私が目標にしている先輩農家さんは、生まれた時から大きく立派な子牛を育てられていて、自分もそこに少しでも近づきたいと思っています。実際に今年3月に生まれた『諒太郎』の血統の子牛は、生まれた時から50キロ近くあり、4か月経った今でも同じ月齢の牛を追い越すほど大きく育っています。この牛は販売せず繁殖牛として残す予定です。自分の牧場で育てた優秀な牛を次の世代へつなぎ、少しずつ牧場全体のレベルを上げていきたいと考えています。」 記者「登録検査で高得点を獲得されたそうですが、その時のお話を聞かせてください。」 高本さん「繁殖牛として登録するための検査で、17か月齢という比較的若い時期に83.2点という評価をいただくことができました。うちの牧場ではこれまで80点台前半が最高だったので、自分たちにとっては本当にうれしい結果でした。この牛は、種付けでお世話になっている河北さんから『この牛を残した方がいい』と勧めてもらって選んだ牛なんです。長年の経験を持つ先輩の目利きを信じた結果が、この点数につながったと思っています。私たちは良い牛を買い集めるより、自分たちで育てた牛で高い評価をいただける牧場を目指しているので、大きな自信になりました。」 記者「健康面では、アソードを使い始めてどのような変化がありましたか。」 高本さん「以前はガス溜まりになる牛が毎年何頭かいて、薬を飲ませても再発することがありました。しかし、アソードを使い始めてからは、その症状がほとんど見られなくなりました。牛自身が自然にガスを出せるようになり、薬に頼ることもほぼなくなっています。また、食いつきも非常に良くなり、中にはアソードを入れないと餌を食べないくらい気に入っている牛もいます。さらに堆肥の量が少なくなった一方で、牛の代謝が良くなり、赤牛では汗をかくほど活発になった様子も見られます。毎日牛を見ているからこそ分かる変化が積み重なり、その効果を実感しています。」 記者「アソードを使い続ける中で、牛だけではなく牧草や土づくりにも変化は感じていますか。」 高本さん「実際に堆肥を畑へ使うようになってから、土の状態が以前とは変わってきたと感じています。以前は土が固く、水分が多いとぬかるんで作業しにくいこともあったんですが、最近は土が柔らかくなり、耕した時の感触も良くなりました。植え付け作業もしやすくなり、土を触るだけでも『状態が良くなってきたな』と実感しています。牧草についても、葉がしっかりしてきた印象がありますし、これから収量がどれくらい変わってくるのか楽しみにしています。牛だけではなく、堆肥を通して土づくりにも良い影響が出ているのではないかと期待しています。」 記者「畑や家庭菜園でも変化はありましたか。」 高本さん「牧草だけでなく、自宅で育てている野菜でも変化を感じています。今年は男爵と『月あかり』という2種類のジャガイモを植えたんですが、昨年より収穫量が増えました。もちろん種イモの量や管理方法など、いろいろな要因があると思いますが、堆肥の状態が良くなったことも影響しているのではないかと感じています。今後は牧草の収量や品質もしっかり見ながら、牛だけでなく畑全体にも良い循環をつくっていきたいですね。」 記者「最後に、高本さんの座右の銘を教えてください。」 高本さん「いくつか思い浮かびますが、一つ選ぶとしたら『牛に優しく』ですね。以前は人に慣れていない牛もいて、接し方が十分ではなかったと感じることもありました。だからこそ今は、一頭一頭に丁寧に向き合い、どの牛にも優しく接することを一番大切にしています。牛に優しく接すれば、人を信頼してくれる牛に育ちますし、毎日の管理もしやすくなります。牛にとっても、人にとっても安心できる環境をつくることが、自分の牧場づくりの基本だと思っています。」 ミヤリサン
「ミヤリサン」は、子牛のお腹の健康管理を支える牧場の定番アイテムです。お腹の調子が気になる際に餌へ混ぜて使用でき、日々の健康維持をサポートします。長年にわたり愛用されている実績があり、現場で培われた信頼のもと、毎日の飼養管理を支える心強い製品として親しまれています。
アソード
「アソード」は、繁殖成績の向上から牛の健康管理、さらには土づくりまで、牧場経営を幅広くサポートする添加剤として注目されています。受胎率の安定や子牛の質の向上、食いつきの改善など、日々の飼養管理における変化が期待されるほか、牛のコンディション維持にも役立つ製品として継続的に活用されています。また、堆肥の状態が良くなることで土壌環境の改善にもつながる可能性があり、牧草や家庭菜園などの作物づくりにも好影響が期待されています。牛の健康を支えるだけでなく、堆肥を通じて土づくりや作物栽培へと良い循環を生み出し、牧場全体の生産性向上を目指す取り組みを支える点も大きな特長です。毎日の飼養管理の積み重ねを支え、牛づくりと環境づくりの両面から牧場経営を後押しする添加剤として、多くの現場で期待を集めています。
Writer_T.Shimomuro
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概要和牛農家に3プライドを取材しました。 ■取材日時■
1月 2026
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