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浅野ファーム 浅野茂彦
鹿児島県 大島郡(天城町) 育成牛:6頭、親牛:74頭、子牛:50頭 取材日:2025年8月20日
個人技からチーム戦へ
記者「浅野さんの牧場で大切にされているこだわりについて、まず教えていただけますか。」
浅野さん「うちは『一年一産』にこだわっています。そのために牛の状態を常に見える化して、誰が見てもすぐに把握できる仕組みづくりに力を入れています。例えば大きなホワイトボードに分娩や種付けの予定をすべて書き出し、スタッフ全員が同じ情報を共有できるようにしています。パソコンに向かうのが苦手な人でも、目に入れば理解できる。この“誰でもできる管理”が牧場経営の土台なんです。」 記者「ホワイトボードで管理されているのは、具体的にどういった理由からなのでしょうか。」 浅野さん「役場に勤めていた頃に、繁殖経営管理のシステムを作ったことがあるんですが、やはり農家の現場ではパソコンを開く時間がなく、結局活用されにくいと感じました。その点、ホワイトボードなら牛舎にいれば誰でも確認でき、書き込みも簡単。『誰が見てもすぐわかる』というのが一番大事で、それができれば自分だけでなく誰でも同じように牛を管理できるんです。経営が個人依存にならず、チームとして動ける仕組みが自然とできるんですよ。」 記者「一年一産を実現するために、日々どんなことを意識して取り組まれていますか。」 浅野さん「分娩後どれくらい経ったかをホワイトボードで管理し、発情の兆候を見逃さないようにしています。2か月以内に種付けできるかどうかがポイントになるので、そこをしっかり押さえることですね。ただ、獣医さんからは『間隔が狭すぎる』と指摘を受けることもあり、牛に無理をさせないよう種付けの時期を調整することもあります。牛の体調と繁殖成績、そのバランスを見ながら常に修正をかけていくのが大事だと感じています。」 記者「牛の健康管理や栄養面で、特に欠かさず取り入れていることはありますか。」 浅野さん「牛の状態に合わせて群を分け、栄養をきちんと行き渡らせるように工夫しています。発情が来ない牛も中には出ますが、そうした場合は迷わず獣医さんに診てもらい、治療で早めにリカバリーする。人任せではなく、自分たちでできることをやりつつ、専門の力も借りていく。そうした積み重ねが結局は安定した繁殖につながると思っています。」 立ち止まる勇気
記者「浅野さん、ご自身の牧場の牛の状態に点数をつけるとしたら、今は何点くらいでしょうか。」
浅野さん「正直に言えば70点くらいですね。理由は、分娩間隔を詰めすぎたことで子牛にトラブルが出てしまったからです。先月は2頭の子牛を失ってしまい、獣医さんからも“免疫がしっかり移行する前に次の分娩を迎えているのでは”と指摘を受けました。一年一産を守るのは大切ですが、健康な子牛が育たなければ意味がありません。その30点のマイナスを踏まえての70点です。」 記者「なるほど。今まさに改善に取り組まれていると思うのですが、具体的にはどのような方法を試しているのでしょうか。」 浅野さん「はい、今は分娩後すぐの種付けを控えて、3回目の発情で種をつけるように見直そうとしています。これで牛の体を少し休ませ、子牛にもしっかり免疫が移るようにする狙いです。確かに一年一産を守るにはギリギリの調整になりますが、牛に無理をさせてしまっては続きません。7月に事故があってからまだ実践途中ですが、結果を見ながら改善を重ねていくつもりです。」 記者「牛の管理や健康面で、浅野さんがおすすめするアイテムや道具があれば教えてください。」 浅野さん「子牛は生後4日で母牛から離すんですが、その時に下痢が出やすいんです。そこで今は獣医さんに教えてもらった『ビオスリー』という生菌剤を活用しています。いろんな添加剤を試しましたが、これが一番効果を実感できました。腸内環境が整うのか、下痢の症状が軽くなり、子牛が元気に育ちやすくなったように思います。現場で使える実感のある道具はやっぱり強い味方ですね。」 遊びも仕事も全力投球
記者「浅野さんにとって、師匠や目標にしている方はいらっしゃいますか。」
浅野さん「はい、実は義理の兄たちが自分の大きな支えであり目標なんです。経営の面では輝彦さんを、繁殖改良の面では浩次さんを尊敬しています。輝彦さんは“どうせやるなら大型化して効率よく”という考えを持っていて、小さなロールを何個も作るより大きなロールを一つ作る方が管理もしやすいと教えてくれました。自分はまだ規模は小さいですが、経営の方向性を考える上で兄の影響はとても大きいです。」 記者「浩次さんについても教えてください。繁殖改良ではどんな影響を受けているのでしょうか。」 浅野さん「今は種付けの多くを浩次さんにお願いしています。彼は新しい血統を積極的に導入するタイプで、“若い種牛でも試してみよう”と攻めるんです。当たり外れはありますが、挑戦することで他にない成果が出ることもあります。例えば最近の中津秀や金華光も、うちではいち早く取り入れました。情報の早さと実行力が本当にすごくて、自分一人ではできない部分を支えてくれる心強い存在です。」 記者「最後に、浅野さんの座右の銘を教えてください。」 浅野さん「座右の銘は『一生懸命』です。どんなことでも中途半端だと結果が出ませんし、むしろ怪我や失敗につながると身をもって感じてきました。牛飼いも趣味のイカ釣りも同じで、全力で取り組むからこそ楽しく、成果も出ると思うんです。私はイカ釣りが趣味なのですが、イカ釣りは夜中に陸から狙うんですが、酒を飲まずに集中できるので、健康にも良い。遊びも仕事も全力でやるからこそ人生が充実する、それが『一生懸命』の意味だと自分は思っています。」 ビオスリー
子牛の健康管理に欠かせない生菌剤「ビオスリー」は、浅野さんが実際に効果を実感しているアイテムです。母牛と離れた直後に起こりやすい下痢の症状を軽減し、腸内環境を整えることで、子牛の元気な成長をサポートします。多くの添加剤を試した中でも、獣医のすすめで使い始めたこの製品が最も信頼できたとのこと。現場で本当に役立つ、頼れる健康管理アイテムです。
Writer_T.Shimomuro
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概要和牛農家に3プライドを取材しました。 ■取材日時■
12月 2025
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