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和牛農家 3プライド記事

株式会社奄美大運畜産 政斗真の3プライド

8/21/2025

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株式会社奄美大運畜産 政斗真
鹿児島県 大島郡(徳之島町)
親牛:340頭、子牛:230頭
取材日:2025年8月21日
  • 磨けば光る、牛は手間暇の結晶
  • 目利きの前に、"目育て"を
  • 習慣だけが結果を語る

磨けば光る、牛は手間暇の結晶

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記者「政さんの牧場で特にこだわっている飼育方法について教えてください。」

政さん「私が担当しているのは主に飼育の現場なんですが、まず一つ目のこだわりは、毎日1時間半から2時間、牛たちをスタンチョンにかけることです。これは、食欲が弱い子牛でもしっかりと飼料を食い込ませるために欠かせない時間なんです。食べ方を見ながら、同じ部屋で飼う牛の組み合わせも調整しています。発育の個体差を減らし、全体の成長を揃えることにも繋がりますし、スタンチョンにかけて立たせておくことで、自然と筋力がつき、姿勢も矯正されていくんですよ。」

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記者「なるほど。その“食い込み”というのは具体的にどういった餌で工夫されているんでしょうか?」

政さん「飼料はできる限り新鮮な状態で与えたいので、少量を1日何回にも分けて給与しています。これにより残飼を防ぎ、牛たちが常に新鮮な餌に興味を持ってしっかり食べてくれるようになるんです。どの牛が食べていて、どの牛が食べていないかも明確になるので、体調のチェックや治療の判断にも役立ちます。小さな工夫ですが、牧場経営の基盤になっていると感じています。」


記者「他に特に気を配っている作業やケアはありますか?」

政さん「牛のブラッシングには特に時間をかけています。普通は出荷の1〜3日前くらいに念入りにやる農家さんが多いと思うんですが、うちでは2週間前から時間をかけてじっくり始めます。理由は、ブラッシングがストレス軽減に大きく役立つからです。ストレスが減れば体調も良くなり、発育にもいい影響が出る。そういう意味で、見た目だけじゃなくて内面のケアとしても大事な作業なんです。」


記者「そこまで丁寧にブラッシングをするようになったきっかけは何かあったんでしょうか?」

政さん「実は、後輩に5頭ずつ牛を任せたときがあって、彼らが毎日地道にブラッシングを続けたんです。そしたら驚くほど牛が落ち着いて、食い込みも明らかに良くなって。暴れていた牛も大人しくなって、体型も綺麗に揃ってきたんですよ。それを見て『これは取り入れるしかない』と確信しました。自分のやり方にこだわりすぎず、現場から学ぶことの大切さを改めて感じましたね。」

目利きの前に、"目育て"を

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記者「今の牛たちの状態に点数をつけるとしたら、何点くらいになりますか?」

政さん「今のところ、70点ですね。社員のみんなの努力もあって、今年はセリ市で3回最高価格で買ってもらえましたし、地元の先輩方からの評価も高くて、自分の中で掲げている目標に徐々に近づいてきています。特に去勢牛の成績にこだわっていて、平均価格70万円を目指しているところ、今は69万円まで到達しているので、目標まであと一歩という状況です。だからこそ、まだ伸び代があるという意味でも70点という評価をしています。」

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記者「なるほど、目標まであと少しなんですね。では、残り30点分、つまり100点を目指す上で、今の課題はどんなところにあると考えていますか?」

政さん「大きく3つあります。まずは繁殖成績の改善で、一年一産を安定して実現すること。次に、死亡事故や分娩事故をゼロにすること。そして最後に、初期育成のばらつきを減らして、セリでの価格の格差を抑えることです。この3つが達成できれば、自信を持って100点をつけられると思っています。」


記者「ありがとうございます。では、その繁殖成績の改善についてですが、今の課題はどこにありますか?」

政さん「一番の課題は、種付けしてもなかなか受胎しない牛がいたり、発情を見逃してしまうケースがあることですね。ここを改善できれば、計画的な繁殖がもっとスムーズに進みます。対策としては、社員全員が発情兆候をしっかり見極められるように、経験を積んでもらっています。マニュアルはあえて作らず、牛一頭一頭を観察する目を養うようにしています。」


記者「従業員さんの目の育成も大事なんですね。その分娩事故の対策については、どうされていますか?」

政さん「分娩監視用のカメラを設置して、24時間しっかりチェックしています。それと同時に、社員それぞれが分娩兆候を見極められるよう、乳房の張りや陰部の緩み、餌の食べ方など、細かな変化を見逃さない観察を徹底しています。あとは、牛を見るときには必ず2人以上で見て意見交換をして、グループLINEで情報を全員に共有するようにしているんです。」


記者「チームで支える体制が整っているんですね。では最後に、体格のばらつきをなくすための工夫について教えてください。」

政さん「体重増加の平均は1.2kgほどなんですが、1.4kgの牛もいれば1.0kgの牛もいて、ばらつきが目立っています。特に離乳前の3か月が勝負だと思っていて、この時期の管理が将来の体格や価格に大きく影響します。飼料設計や栄養管理の工夫でその差を埋めようとしていて、現在は添加剤としてビオスリーを使って対応しています。実際に、腹まわりの深みが出て、食い込みも1.3倍ほどに改善されるんです。」


記者「ビオスリーだけでそんなに変わるんですね。ブラッシングについても非常にこだわりがあると聞きましたが、どういった効果が見られていますか?」

政さん「うちでは出荷の2週間前からブラッシングを始めていますが、これだけで20kg近く体重が増えたり、人懐っこくなったり、毛並みが良くなったりと、目に見えて変化があります。特に腹まわりに深みが出て、体積がしっかりしてくるんです。牛の姿勢も良くなり、ストレスケアにもつながるので、今ではもう必須の作業ですね。ぜひ他の農家さんにも試してもらいたいです。」

習慣だけが結果を語る

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記者「政さんが“師匠”と呼べるような存在、あるいは目標にしている方はいらっしゃいますか?」

政さん「はい。自分が入社1年目の時の上司である平山勝也さんですね。年齢は自分の4つ上で、牛飼いとしての技術だけじゃなくて、人としても尊敬できる方です。おしゃべりが好きで、将来の夢やビジョンを語り合える、数少ない存在でした。牛の見方も自分とは違った視点を持っていて、悩んだときにはいつも一緒になって答えを探してくれるんです。自分がこの世界に入ってからのノウハウは、ほとんど平山さんから教わったといっても過言ではないです。」

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記者「なるほど。今でも交流があるようですが、どんな場面で相談されることが多いんですか?」

政さん「そうですね、牛が思ったように伸びなかったり、食い込みが落ちたりした時なんかは、真っ先に平山さんに電話します。一緒に考えてくれて、すぐ答えが出るわけではないんですが、最後には納得できる答えにたどり着けるんです。平山さんの目標は“天城町のてっぺんを取ること”。自分もその背中を見てきたので、同じ夢を持って、今も走り続けています。」


記者「素晴らしい師匠ですね。では、その平山さんの夢を継いで、政さん自身の夢も同じなんですか?」

政さん「はい、まったく同じです。“てっぺんを取る”って、単に数字だけの話じゃなくて、“あの牧場には敵わない”って言われるような存在になることです。徳之島は牛飼いが盛んな地域で、1軒1軒の牧場のレベルも高い。だからこそ、そこを突き抜けていくには、並大抵の努力じゃ届かない。でも、平山さんの夢を一生背負って、自分も追いかけていきたいと思っています。」


記者「ありがとうございます。では最後に、政さんの“座右の銘”を教えていただけますか?」

政さん「『瞬間を決定するのは習慣である』という言葉です。これは中学3年の時の担任の先生から教えてもらった言葉なんですが、今でも自分の考え方の軸になっています。牛の才能を伸ばすのも、人間の習慣次第なんですよ。逆に、間違った習慣で牛をダメにしてしまうことだってある。特に分娩や死亡事故は、一瞬の判断ミスが命取りになることもあるので、日々の準備や観察を怠らない“習慣”が大切なんです。事故が起きても仕方ないとは思いたくない。減らせるものなら、ゼロに近づける努力をする。牛も人も、お互いがいなければ成り立たない関係だからこそ、命を守ることには本気で向き合いたいですね。」

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牛かきブラシ

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どの牧場にもある身近な道具「牛かきブラシ」ですが、丁寧なブラッシングによって牛の姿勢が整い、人懐っこくなるなど、ストレス軽減や健康維持に大きく貢献します。毛づやも良くなり、食い込みが増して腹回りの深みにも差が出るなど、体積や体重の向上にもつながる優れもの。導入から2週間で目に見える変化が現れるため、日々の管理に取り入れる価値のあるアイテムです。

Writer_T.Shimomuro
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    概要

    和牛農家に3プライドを取材しました。

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